撤退戦は、進出戦よりも難しい
新しいオフィスを構える、
ということは、古いオフィスを、出てゆくことです。
クライアント先の出店・退店を、
近くで見ていて感じるのは、
「出店のときには、誰でも簡単に、嬉々として契約や準備をすることができる。
しかし、退店のときのほうが、大変だ」ということ。
人の出会いと、別れも、同じですね!
ちょっとでも、会社にふりかかる損害=撤去費用を少なくしたい・・・
という思考回路の幹部にとっての「撤退戦」は、
非常なパワー・人間性・テクニックが必要となります。
「契約通り、原状復帰でお願いします」という
大家側の意向に対して、その道理を曲げて、撤退交渉を行うのですから。
これが「ダメ・サラリーマン」社員だと、
「契約だから、仕方ない。言われるままにお金を払って、はい、仕事完了!」となる。
こんな人間を、絶対に幹部にしてはいけない。
いや、会社にすら入れてはいけない。給料を払ってはいけない。
戦国~江戸期、
城を明け渡すときの「見事さ」は、その家の後々の語り草となります。
キレイに掃除して、次の城主に明け渡すのだ。
これこそ、日本人の心ではないか?
私自身、オフィス移転には、多く関われなかったけれども、
荷物も運び出した後、見事にピカピカに磨き上げられて、
引き渡しに立ち会うため、訪れた旧事務所を見て、
「あー、素晴らしいスタッフに恵まれているなー」という感謝の気持ち、
「これまでこの場所にお世話になりました」という感謝の気持ちを新たにしました。
「撤退戦」のコツは、オーナー側に、
少しでも早く、良い条件で、次の持ち主が見つかるよう、
共に努力・協力する姿勢を見せること。。。と理解しました。
「次の人が、心地よく使えるように・・・」
仕事って、どんなことでも、根底は共通ですね。