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普通は尊く、冒険は、高齢者になる前に

同じく、
新潟⇔北海道の長距離フェリーのなかで。
ジムで汗を流す男性は、一人旅。
不動産業を営んでいるという。

「たくさん時間があったのに、気がついたら高齢者になってた」
「でも、普通に生きてきて、普通のこんな人が
 ちょっと冒険してみられるのが、これくらい普通のこと」

「普通って、誰も注目してくれないけど、でもまあ尊いし
 自分がそう思えばいい」
「行ってみて、なに持って帰ってくるのか、わかりませんけどね」
「自分の心の中に、そんな感じでいっぺんやってみたいかな」

・・・・
そうか、心にしみるなあ。
でも、いつも、ちょっとした冒険はしているからなあ。

いや、ちゃんと時間をとって、
旅の冒険も、良いかもしれない。
高齢者になる前に。ね。

先輩の言葉は、心にしみる。



何も考えられないから、最高!

同じく「72時間」総集編より。
日本海の長距離フェリーの放送回。

デッキから、夕暮れの海を眺めている人
「水平線に沈む太陽、
これは、なかなか見られないですよ。
今日は、最高ですね。マジックアワーで」

インタビュアー
「これを見てるとき、どんなことを考えるんですか」

「何も考えられないから
 最高なんじゃないですか」

うーーーん、名言!!
台本なしで、この言葉・この表情。
一般人こそ名優です。

 
例年以上に、今年の2月は、
春からの仕掛けのプランニングと具体的支援のため、多忙を極めています。
不況下の物価高、スタグフレーション。
お客様の財布のひもが固くなるなか、どうやって、自社で買ってもらえるようにするか?

毎月のご支援先約20社、年に数回のご支援先を含めれば約40社。
それぞれのチラシ・DM・SNS・商品・売場・ホームページ・・・・
それに、新規出店プラン、リニューアル・・・・
急遽、人手不足だ!と求人広告、競合が仕掛けてきた!と対策販促・・・
少なくとも100企画分=1日あたり3~4企画以上を、この1~2月で、生み出しています。

というわけで、
2月のブログは、楽をさせていただき、
しばらくの間「72時間/備忘録」で、乗り切ります。



生活者のリアル。死ぬみたいじゃない、死ぬんですけど

年末年始は、どこにも出かけず、
撮りためておいたテレビを観て、買い置きしていた本を読んで、
そして、
仕事をしています。
コンサルティングで関わる各業界、
今年は、どのように売上アップをしてゆこうか。と整理しています。

さて、仕事の話は、秘密にしておいて・・・

年末年始のテレビ鑑賞。
私の定番は、マグロ漁師、箱根駅伝、高校・大学ラグビー、
映画、プロ野球戦力外通告、警察24時・・・(最近は、格闘技がなくなって、寂しい・・)
そして、
NHK「ドキュメント72時間」というの番組の視聴者投票ランキング年間ベスト10。
1箇所にカメラを設置して、
そこに来るお客様を取材する番組です。
普通の人の、普通の日常のリアルをたくさん映し出していて、とても好きなのです。

さて、そのひとつ。
大分・別府温泉の「貸間旅館」
かけ流しの温泉、居間、炊事場が使える格安の旅館が舞台の放送回。

癌治療のため、湯治に来られるご夫婦。

「何度か手術をして、
手術をできない状態には、今なっててですね」
(今は、抗がん剤治療を続けているそう)

奥様は、こう言う
「周りの家族のほうが、精神的に大変かなとは思うので、申し訳ないなという・・」
「怖いんですけど、まあね、そう流れていくもんだみたいな」

「一緒にいれる限り、一緒にいれたらいいなと思ってますね」
と旦那さん

「そんなん言ったら、私、死ぬみたいじゃん」
「死ぬんですけど」
「みんないつかは死にますから」

放送のあと、奥様は、お亡くなりになったそうで、
年末、旦那様が、この番組に手紙を出してくれました。
「願いかなわず、妻は永遠の眠りにつきました」
「この番組には、自分らしく朗らかに人生を楽しんでいた、彼女の笑顔があふれています。私にとって光のような存在でした」
「今は、ともに同じ時間を生きてくれた妻に感謝の思いしかありません」

どんなに脚色された映像よりも、
「等身大で生活する人間」のなかに、心にせまる背景、表情、言葉がある。



観察力と行動力。それに笑える能力

船井総研には、毎年、たくさんの社員が入ってきていました。
伸びる=コンサルタントとして大成する若手社員には、ある特徴があります。
圧倒的激務のなか、
入社1年目の様子を見ていれば、だいたいわかります。

それは、2つ。
1)クライアント先や、新規の問い合わせなどで、かかってくる電話。
 先輩がしている電話の受け答えを、自分の仕事をしながら、じーっと聞き耳を立てている。
2)上司や先輩の言葉や動きを、そっくりモノマネして、遊ぶ。

これをしているスタッフは、コンサルタントとして成功しました。
1)電話の受け答え=コンサルタントの成功イメージを観察する。
2)モノマネ=上手い下手に関わらず「やってみる」という行動力。

一生懸命、言われた仕事をこなす社員、
社内表彰される社員が、伸びるわけではない。という事実を、私は知っている。

成功例の「観察」
やってみる「行動」

「生きる術」を手に入れる方法は、
前回ブログの「裏アイテム」を手に入れる方法と、要素は同じなのです。

他の人が持っているのを見て、=観察力
店員さんに尋ねてゲットする。=行動力
「あれ、僕も欲しい。どうすれば、もらえるんですか?」

「あれ」を探す=良いものを探そうとする意志と観察=「電話の観察」
「どうすれば、もらえますか?」=言ってみる、やってみる行動=「先輩・上司のモノマネ」

もうひとつ、つけくわえるならば・・・
土日も休みナシ。週に1~2日は会社に泊まり込み。帰るのは終電かその1本前。
今で言う「ブラック」な職場。
その極限のなかでも、
夜な夜な、先輩や上司の「モノマネ」で、笑える。笑わせる。
そうゆうところも、大事な要素だったのかもしれません。



言わなきゃ出てこない「裏アイテム」~あれ、僕も欲しいんですけど

オモテに出していないメニュー=
こちらが、リクエストしなければ出てこない「裏アイテム」がある。
それを駆使して、ボクだけのお店の美味しさを、味わい尽くす。

えびそば・一幻(北海道)

手前にあるのは、「海老オイル」である。
注文の時に、「海老オイルください!」というと、持ってきてくれる。
何も言わないと、出てこない。

長崎ちゃんぽん・リンガーハット(全国チェーン)

お盆の奥にある「うまみ塩たれ」である。
これも「塩たれください!」って伝えると、店員さんが出してくれる。
言わないと、出てこない。

両方とも、味を濃くしてくれる。

魔法の呪文、秘密の合言葉。みたいなものですね。
知らなきゃ、それで、知らないまま。でも、十分美味しい。

こうゆうのを、
どうやって知るかと言えば・・・
他の人が持っているのを見て、店員さんに尋ねてゲットする。
「あれ、僕も欲しい。どうすれば、もらえるんですか?」

 
私のコンサルティングにも、
言えば出てくる、言わなきゃ出てこない「裏アイテム」がある。

ような。
いや、ないような。
でも、そうゆうもの、ありますね!



買った金額と満足度の関係について

「恒産なければ恒心なし」
「貧すれば鈍す」⇒「富すれば鋭す」に関連して、個人の場合。

  
高いものを買ったお客様は、
ニコニコしている。

安くものを買ったはずのお客様が、
文句や不満を言ってくる。

値段を安くすれば、満足度が上がるわけではない。
値段が高いほうが、満足度が上がる傾向にある。

人が関わる販売の仕事を真剣にやっていれば、
当然、気づく原則である。

高くても、満足度の上がる商売を。
上記の本質を、知っているスタッフさんを。
本質を知っているからこそ、恒産なく、貧する。お客様にも、親身に対応できる優しいスタッフを。
味わい深く、育ててゆきましょう。


高いものを買ってニコニコしているお客様ですが・・・
もし自社の商品・サービスに、その価値がないと判断したら、
ニコニコして、別の店に移ります。

高い→ニコニコ。
実は、これが一番、怖いんだよ。甘えちゃダメだよ。ってことも、知っておきましょう。



「ない」ときでも「ある」ときと同じ思考・ふるまい・意思決定/経営者の大切なこと

「恒産なければ恒心なし」
「貧すれば鈍す」⇒「富すれば鋭す」に関連して、経営者の場合。

経営者なら誰しも、
一時的に、苦しくなるときがある。何度もある。
それは、売上であったり、資金繰りであったり、お金にまつわることが多い。

「恒産なく」「貧する」状態に陥る。その脅威を感じる。
そんなときでも「恒心」を持ち、「鈍く」ならないようにする。

良く言われる「平常心」というものです。
その訓練を行う必要がある。

顔色ひとつ変えず、
「ない」ときでも「ある」ときと、同じ思考とふるまいをしなければ、ならないのです。

 
昨年、前職の船井総合研究所の社長・小山政彦さんに、
優秀な後輩の経営者が、こう尋ねた。
「船井総研の社長時代に、一番、気をつけておられたことは、何ですか?」

私は(さすが、いい質問をするなあー)と感心しつつ、注目して、聞いていた。
その答えは
・・・・
「やせ我慢だろうね」

なんとも、江戸っ子らしい、お答えでした。

きっと、上記のようなことです。
「平常心」での意思決定。思考、言動、ふるまい。その訓練を行うこと。

 
続いて、
「小山さんは、ご自身で経営もされ、コンサルタントとして色々な経営者を見てきたと思います。
 経営者にとって、一番大切なことは何ですか?」
(2年前、同じ3人で食事をしたとき、同じ質問をしていた)
(当時と、同じ答えがどうか、試そうとしている・・・なんとも図太い後輩である)

その答えは、、
「業績を上げて、従業員の給料を上げてやること」

見事、2年前と、まったく同じお答えでした。
二人とも、さすがなのです!



恒産なければ恒心なし/貧すれば鈍す、富すれば鋭す

せっかくの機会なので、
山本周五郎さん「赤ひげ診療譚」より。
心に残っている文章をピックアップして、ご紹介します。

↓↓
眼先のことに喜んだり、絶望して身を滅ぼしたりするのは、貧しい人間に多い。
恒産なければ恒心なしといって、
根の浅い生活をしていると、
思惑の外れた場合などすぐに極端から極端に走ってしまい、
結局、力のある者の腹を肥やすだけだ。
↑↑

本当に、深い言葉である。

貧しいから、目先に、一喜一憂する。
一喜一憂するから、貧しくなる。

「恒」とは、
「いつも、常に、ずっと、変わらず」という意味があります。

安定した財産なり、職業をもっていないと、
安定した道徳心を保つことは難しい。といった意味である。

「産」を、「財産」というだけでとらえてはならない。
「生産」ともとらえる。
常に「産」出する仕事をするから、財「産」がある。
結果、「心」も安定する。

「心」とは、意思・感情・感性・本質・性根・度量・記憶・注意。

同様のことわざに「貧すれば鈍す」があります。
貧乏すると、判断が鈍る。貧乏人は、ますます貧乏から抜け出せなくなる。
経営の場合、業績の悪い時の社長の判断は、
決まって、間違いやすい傾向にある。
業績が悪い⇒ケチる⇒サービスが低下する⇒お客様が離れる・・・というサイクルである。

逆に「富すれば鋭す」
裕福な状態になれば、鋭く良い判断ができる。

「福・富」のもとを作るため、今年も、全国を回ります!



悪事にも理由がある、その立場から原因を知り理解する

赤ひげ診療譚、新出去定の言葉のなかで、
書き留めている言葉。。
物語を通して、頻繁に出てくるテーマのものを、ピックアップします。

↓↓
(1)
医療は、貧困と無知との闘いである。

(2)
人生は教訓に満ちている。しかし万人にあてはまる教訓はひとつもない。
殺すな、盗むなという原則でさえ絶対ではないのだ。
卑劣な行為に条件はないが、そうしなければならないときにはやむをえない。
教訓はそっぽを向いてもらうときだ。

(3)
無力な人間に、絶望や苦痛を押し付けるやつには、
絶望や苦痛が、どんなものか味あわせてやらねければならない。
しかし、彼らも人間だということを信じよう。
彼らの罪は、真の能力がないのに権威の座についたことと、
知らなければならないことを知らないところにある。
彼らは最も貧困であり、愚かな者より愚かで無知なのである。

(4)
だが、彼らもまた人間だ。
悲しいかな、かれらも人間であるということを認めてやらねばならない。
おそらく家族もあることだろう。ほかに生きる手段がなければどうするか。
妻子を養いその日のくらしを立てるためには、たとえ非道とわかっていても、
ならい覚えた仕事にとりついているよりしようがない。
↑↑

・・・・
ドストエフスキーの小説『罪と罰』のテーマに通じるものがある。
「悪の中にも、理解すべき動機がある」と。

麻薬の常習者に対して、
「麻薬は法律で禁止だ、身体にも悪い、やめろ」と進言するのではなく、
「麻薬を半分にできないか」と進言し、その視点から方法を考えるイメージである。

このことがわからなければ、
中小企業、事業所のコンサルティング、つまり、
今の4~5番店を、1~2番店にしてゆくことはできない。



優秀な腕を持つ、庶民のための反骨の町医者

新年、あけましておめでとうございます。
本年も、よろしくお願いいたします。

そもそも、ブログのタイトル「赤ひげ」について、
そう言えば、これまで触れていませんでした。

世の中では、「赤ひげ薬局」という精力剤のお店が有名です。
なので、
「会社が絶倫になる!」という意味ですか?とか、
「中西さんが絶倫!」という意味ですか?なんて、聞かれます。

(それもあるかもしれません・笑)

実は、この書籍、作家・山本周五郎さんの小説「赤ひげ診療譚」に
登場する医師・新出去定のニックネームです。

黒澤明監督が、原作をもとに「赤ひげ」というタイトルの映画を制作したことでも、有名です。

優れた腕がありながら、権威にこびることなく、
市井の町医者として、庶民のために反骨の生涯を貫いた医師です。

私は「赤ひげ先生」を経営コンサルタントの理想像として、
心・技・体のうち、体(資本力)は、ともかく、
心と技を大切に生きる中小の会社・事業所の
「業績を上げること」「なりたい姿に近づけること」に、徹底してこだわって、
経営支援を行っています。

本当の名医とは、必要以上の薬を使わず、
必要以上の検査・手術を行わず、
必要以上の診療回数を重ねず、
患者さんへの金銭的・体力的負担を最小限に、健康体にすることのできる人。
との認識を持っています。

コンサルタントも、
その会社の特徴を理解し、体力にあわせて、
クライアントに無理をさせず、
早く「コンサルタントが必要ない状態」となっていただき、
最大の効果をもたらしてこそ、本当の価値があると信じています。

早くクライアントの会社から「自らの存在を消し去ること」、
つまり「クライアントからお金をいただかなくなること」
「クライアント自身で、売上を上げ続けることができるようになること」
それを至上命題として、取り組んでいます。

「そんなことをしたら、御社の売上が下がってしまうんじゃない?」
と、心配してくださるクライアント様もいらっしゃいます。

大丈夫です!
また、互いに成長した姿で、お会いしましょう。
必要とされるところでこそ、価値は生きます。
また
「存在を消し去る」「お金をいただかなくなる」とは、
「クライアント先の可処分の利益を増やすこと」と、ほぼイコールに等しいのです。

自分のお金も大事ですが、
相手に儲けてもらうこと。が、何よりも大事です。

年始にあたり初心に回帰することも踏まえて、書き留め、ご紹介しました。



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