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まず破壊せよ。壊しながら、作り続けること。それが生命体が生き残る術

「組織づくりの要諦は、壊すことにあり」
以前ブログでご紹介させていただいた船井総研の元社長・本告正さんに、
社長室に「ご招待」いただき(=お呼び出しをくらい?笑)
お話したとき、教えていただいた言葉です。

「どんなに成功していても、うまく行ってても、組織は3年に1度は、必ず壊すものなんだ」
「新しい組織がうまく機能するかどうか、とか、人事がどうだ。ということは、たいして大きな問題ではない」

「定期的にバラバラに壊すこと自体が、大切なんだ」

私が入社して数年目のとき、大きな組織変更があって、
おそらく「不満半分」で、尋ねたのだと思います。
やっと会社にも人にも仕事にも慣れてきたのに・・・業績も順調なのに・・・なぜ??
という思いから。

(ふーーん、そんなものなのか)
(まあ、確かに、銀行とか大企業は、3年に一度は、部署移動するってゆうしなー)
(しっかし、テキトーだなあ、そんな感じでええんかいな??)
当時は、このくらいにしか、考えていませんでした。

でも、前述の「動的平衡」により、説明がつきます。
「生命は、絶えず自らを壊しながら、作り直すことでバランスを保っている」

個体が集まっている人間社会も生命体である。会社も生命体である。
人間と他の生物も、地球全体も、ひとつの生命体と言うことができる。

実際、伸びる会社ほど、
一見、非情に思える大胆な人事をします。
施行リーダーに、突然、営業をさせる。工場長が、店舗責任者になる。
居住地から、遠くの拠点でも、おかまいなく単身赴任させる。などなど。

伸びない会社は、ずーっと人事が固定です。
社長も、幹部も、リーダーも、同じところにいます。


日本の官僚組織とか、定期的に「壊す」といいんですよね。きっと。
部署や編成自体を、大きく入れ替える。
簡単に実施するなら、財務省の課長が、いきなり、文科省の課長になる。入れ替わる。とか。ね。
そうすれば、国という生命体も健康になると思います。



ヒト・組織の生命の本質「動的平衡」とは

生物学者の福岡伸一氏が提唱する概念です。
「生命は、絶えず自らを壊しながら、作り直すことでバランスを保っている」

福岡さんは、優しそうなお顔と語り口と裏腹に、
こんな実験を、マウスに施した。

マウスのなかのひとつの遺伝子を無効化する。
つまり、意図的に身体の異変を作りだそうとする。
しかし、元気に生き続ける。
遺伝子は、大きなシステムのなかの一部なので、
すぐマウス本体に大きな異常をきたす前に、足りない遺伝子をバックアップしたり、
補完しあう仕組みが働き、
マウスのなかに「新しい平衡=バランス」が立ち上がる。

機械の場合、部品が壊れると、やがて全体に影響が及ぶ。
しかし、生命の場合、ひとつ取り除いても、大丈夫なようにできている。
自助的に全体に影響が及ばないようになっている。
生物は「動的な仕組みとして統合的な存在」なのです。
絶え間ない流れの中で分解、合成がバランスをとっていることを「動的平衡」と呼ぶ。

生命の本質は、
遺伝子や細胞といった個別の要素にあるのではなく、
要素と要素の関係性、それらの「あいだ」で起きる相互作用にある。
そこに生命が宿っている。との結論にいたる。

会社やチームに置き替えて言えば、下記のようになる。
組織の本質は、個人や役割といった個別の要素にあるのではなく、
個人と個人。役割と役割。の関係性、それらの「あいだ」で起きる相互作用にある。
そこに組織の生命が宿っている。

モノではなく、そこで織り成しあうコトにある。

組織では、日頃から、色んな構成員同士の「相互作用」「あいだ」の機会の「量と質」を、大切にしておくと良い。
1つのピースが抜けた後の「新しい平衡の立ち上がり」がスムーズになります。

生命は「壊しながら、作ること」で、バランスを保つ。
ダルビッシュが抜けたあとも、チームが勝てることも、動的平衡のひとつです。



エース級スタッフが抜けても、大丈夫。組織は、さらに強くなる。

クライアント先でも、どの会社でも、
「主力スタッフが退職する」という事態が、時々起こります。

逃げることのできない立場である「経営者」は、
そのとき、お先、真っ暗。絶望的な気持ちになります。
ですが、
そのあと、現状よりも良い方向に向かってゆくものです。

主力スタッフの代わりに、
・別のスタッフが成長して、頑張ってくれるようになります。
・全員がレベルアップします。
・もっと良いスタッフが入社してきます。

組織体は、そうゆう風になっているものです。

様々な経営者の近くに仕えさせていただき、
幾たびも、そうゆう場面に遭遇してきた私は、断言できます。

当事者である経営者ご自身は、
その場では理解できないことも、多いのですが。。
適度に焦って、適度にジタバタするくらいが、ちょうど良いものです。

必ず、会社自体、組織自体はグレードアップできます。問題ありません。
1年後には「残念ではあるけれども、辞めてもらったことは、結果、良かったですね」
となります。

 
実は、まだ野球の話が続いています。
上記の裏付けとして。

近年、日本の各球団からはエース投手が、
FA移籍したり、メジャーに行くことが多く、チームから「退職」してゆきます。
しかしながら・・・・
・日本ハムから、エース・ダルビッシュが抜けた後、
 もうダメだ・・と思っても、優勝します。
・広島から、エース・前田健太が抜けた後、
 もうダメだ・・と思っても、優勝します。
・松坂大輔が抜けた後も、菊池雄星が抜けたその年も、
 西武は優勝しています。
・昨年は、DNAからエース・今永が抜けた後、
 ダメだ・・と思っても、日本一になりました。

きっと、そうゆうものです。

今年は、
佐々木朗希(まあ、エースとは呼べないけどねー)が抜けたロッテ。
菅野が抜けた巨人。
久里が抜けた広島。
チャンスが巡ってきたんじゃない?と思っています。

大事な要素が抜けても、
全体としては、うまく回るようになってゆく。

これを生物学で「動的平衡」と呼びます。



【また脱線】昭和の時代、少年時代にタイムスリップを

今年、マー君の何に注目するのか?
「かつて速球派・剛腕で勝っていた投手が、技巧派に転身しても、勝つ姿」
それを見てみたいのです。

昔は、そうゆう凄い投手がいました。
・江夏豊は、阪神時代、剛速球投手。オールスターでの9者連続三振。
・わが近鉄の「草魂」鈴木啓示も、若いころは剛腕だったという。
 317勝のうち前半は剛腕投手として、積み上げた。
・中日の鈴木孝政も、キレのある快速球王だったそうである。

ですが、3人とも、私が物心ついたとき=野球を始めたときには、
すでに「技巧派」でした。
(おじさんが、なぜこんなにも、えらそうに投げてるんだ?
なぜ、こんなゆるいボールを打てないんだ?)という印象でした。

当時、父親の解説によると・・・下記のようなことを言ってました。
1)名前(=風格)で投げている。
 全く同じボールだとしても、江夏が投げる球と他の人の球は違う。誰が投げるかが大事。
2)打者を見下ろして投げている。手に取るように投げている。
3)経験から、打者心理と展開を読みながら投げている。
4)スピード表示は遅くても、実際よりも速く見せる技術を持っている。そしてコントロールが一番。
5)打たれても、歩かせても、点をとられなければ良い、1点差でも勝てばよい。

1)については、当時、意味がわかりませんでしたが、今ならわかります。
同じ内容を言っても「誰が言うか」によって、
  同じ行動をしても「誰がやるか」によって、
成果が全く異なります。きっとそれと同じです。

私は、リアルタイムで見てみたい。
昔の速球派が、今、技巧派になっても、勝てるところを。

近年の選手では、見たことがないのです。
スピード=体力勝負ができなくなったら、もうおしまい。
自分のスタイルが通用しなくなったら、もうおしまい。

あの田中マー君が、150kmが出なくても、
140kmくらいのストレートでも、
打者を見下ろして、風格・技術・心理戦・コントロール・変化球を駆使して、
のらりくらりと、勝ってゆく姿を、見てみたいのである。

プロだなあ、
頭を使って、努力も研究もしたんだなあ。と感心したいのです。

近鉄・鈴木啓示の現役時代(私が知っているころ)

なんだか「プロ野球選手」というよりも「草野球のおっちゃん」でしょ?
「よっしゃ、さっさと終わらせて、一杯やるで~」
「おらおら、打たしたるから、はよう打て。ほら!ワシに無駄なタマ投げさせるなー」
昭和の時代、こんな感じの大投手が、活躍してたんです。

マー君、再現、頼みます。
今、もっとも、あなたが適任です。


去年の巨人・菅野は、これに近い投球をしていましたね。
試合中、打者との対戦でも、まるでキャッチボールをしているかのような佇まいと投球でした。
大リーグに行っても、続けて、勝ってほしいです。



2025年・プロ野球開幕<注目3>注目選手~振り返りと今年

昨年、この時期
ハルト(阪神・高橋遥人)・ヤクルト(村上)・山川(西武⇒ソフトバンク)
それに、ルーキーの度会(DNA)に、注目していました。

結果の答え合わせ。。
高橋遥人・山川穂高は、かなり良い感じで復活。
ヤクルト/村上・度会は・・・もの足りない!
(ホームラン王でも「ダメ」と言われる村上は、大物ですよね)
・・・・
村上君は、2年連続で年始のとんねるずの番組に出なかった
⇒そこはオーケー(拍手!)
あと3年連続で出なければ、完全復調するでしょう。
でも、まだ、王さんとは話していない(と予測する)以前のブログで提案したのに。。笑
もしまだなら、ちゃんと、話を聞きに行きましょう~。
頑張れ、ヤクルト&村上君!
みんなが納得する姿を見せたあと、メジャーに挑戦するんだよ。
・・・・
度会君、2年目の飛躍を期待する。
ただなあ、カノジョさんのセンスがなあ・・・。ちゃんと野球やってるかい?
ある意味「横浜高校出身のDNA選手=チャラい」路線じゃないかー
という、おじさんの偏見。
大谷君の姿勢や私生活のセンスと比べてしまうのかな。
まあ、度会君が「普通」で、大谷君が「変わってる」ってことだろうけどね。
頑張れ、度会君!!

さて、
今年の注目は、田中マー君・36歳です。

経歴は、ご存知の通り。
・駒大苫小牧2年で甲子園優勝。3年のときハンカチ王子との甲子園決勝・引き分け再試合。
・楽天での日本一。伝説の24勝0敗と日本シリーズ制覇・最終回の登板。
・メジャーリーグ、ヤンキースでの活躍。
・古巣・楽天に復帰したものの、思うようには、活躍できず。
・昨年のオフ、大幅減額の年棒提示に「必要とされていない」と、楽天を退団。
・しかし、獲得に名乗りをあげる球団はなく、最終的に今年、巨人に入団。

(つづく)



2025年・プロ野球開幕<注目2>チームの力。コーディネイター

チームの運営にも注目している。

巨人は3軍まで。(地味に広島にも3軍あり)
ソフトバンクは、なんと4軍まで。
選手層の厚さ=人件費を多く払える。施設がある=経営力の強さ=儲ける力。で
根本的に強いチームを作っています。
「すそ野が広いこと」は「強さ」を作る王道のアプローチです。

それに対して、
組織デザインで、対抗しようと見えるチームがあります。

今年、DNAは、2軍監督に桑原義行を任命しました。
選手としても、指導者としても、ほぼ経験がない人物です。異例の人事。
監督は、コーチと選手、チームの各分野の「調整役」に適任な人物を配する。
2軍監督の役割がそこにある。という組織デザインです。
監督やコーチが変わったとしても、
DNAという組織チームの戦略・育成手法は、変わらないようにしてゆく意図が垣間見えます。
一軍のコーチ陣も、打撃・走塁コーチでなく、統合して「オフェンスコーチ」
投手・守備コーチも「ディフェンスコーチ」となっています。
新興企業・DNA本体の経営力が発揮されていることを感じます。

日本ハムは、栗山英樹を
チーフ・ベースボール・オフィサー(CBO)に任命しました。
選手と現場コーチ。今と未来。データと経験値。これらの潤滑油となる役割です。

「潤滑油」の役割は、増えています。
今、3分の1くらいのチームに「コーディネイター」というコーチが、存在するようになってきました。(ロッテ・DNA・ヤクルト・阪神)
「教える側」「教えられる側」/「使う側」「使われる側」/「一軍」「二軍」/「本人」/「ドクター」の潤滑油となる存在です。
これまで「監督」「コーチ」/「攻撃」「守備」の間に立つ役割として、
ヘッドコーチが存在していますが、
今らしい、現場レベルの調整役機能が必要となってきているようです。

新しい指導者の力は、どこまで発揮されるか?
低迷する中日にも注目しています、新監督・井上は、なかなかやりそうです。
打撃コーチの松中にも注目。
中継での解説を聞く限りは、相当の偏屈的な難しい打撃理論派。
古臭いかもしれない3冠王の打撃理論や練習方法が、
今どきの若手と低迷する打線と中田翔に通用するか?

打線低迷の阪神には、指導に定評のある小谷野打撃コーチが就任。
巨人には、作戦名参謀といわれる橋上が味方についた。2軍にはずっと桑田監督がいる。

こんなところを見ながら、観戦してみます。


昨年オフに訪れたエスコンフィールド。
日本ハム球団の野球への造詣の深さを実感できます。

タワー11という名所。ダルビッシュと大谷の大壁画。



プロ野球開幕<早くも脱線>外野のヤジ合戦

ちなみに。
阪神ファンから、巨人の選手である「慎之助」への声援コールは、
昔の阪神ファンを知る人間からすれば「奇跡」に近い。
(阪神ファンも、進化したなあー。時代が変わったなあ)と、実感する。
だからこそ、
慎之助コールの価値が、わかる。

   
私が小学生の頃、約40年前。。
甲子園の阪神・巨人戦を観戦に行くと、
試合前には、ファン同士で、こんな「ヤジ合戦」が繰り広げられていました。

(ライトスタンド=阪神ファンが、声をそろえて大合唱)
江川の耳はロバの耳。えーがわのみみは、ろーばのみみー!

(レフトスタンド=巨人ファン、それに対抗してコール)
岡田の鼻はブタの鼻。おーかだのはなは、ぶーたのはなー!

(阪神)山倉、なまくら、パスボール
(巨人)ポルノが好きな、若菜  ※日活ロマンポルノ女優との不倫を揶揄して・・・

(阪神)万年、刈り上げ、中畑
(巨人)刈り上げできない、掛布  ※髪が薄いことを揶揄して・・

(阪神)
おやじがでしゃばるタツノリ!
原は、親父の七光り!  ※原辰徳の親=原貢は、高校・大学野球の名監督・・・

そして、最後は、これで締めくくられる。

(巨人)
くやしかったら、勝ってみろ
(阪神)
それをゆうたら、おしまいや

ちゃんと、オチがあるのが、関西の良いところである。
当時の良いところでもある。
「トムとジェリー」のように「♪仲良くケンカ」している。

・・・・
小学生のお子様に、当時の甲子園は、
大人のヤジや人への悪口に関する、実地研修となります。良い機会です。

アタマから「ダメだ!下品だ!失礼だ!」などと、
倫理的なことで済ませてはいけない。
「臭いものにフタ」でもなく、
お行儀の悪いヤジについて、ちゃんと論理的に、話し合ってもらいたい。

「目の前にその人がいたら、キミは同じことが、言えるのかい?」
「スタンドみんな同士だから」「選手がここまで来ないと思っているから」言ってないかい?

現在で言えば、
SNSやネット書き込み、メール(=相手と対面しない)と、同じである。

そうゆう、卑怯なヤツにはなるな。
やられたら、気にせず、戦え。
同じことである。



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