プロ野球・高校生【地元採用】のアレコレ
前回ブログで、
「横浜高校から横浜DNAベイスターズ入団」ルートについて書きました。
地方に本拠地を置く球団が、地元高校出身の選手を採る(獲る)あえて、採る。としたい。
それは、
安定的に地元に根ざした人気(=収入)を得るためには、大切な要件です。
たとえば、
北海道日本ハムファイターズは、北海道の高校から。
楽天は、東北地方から。
中日は、愛知を中心とした東海地方から。
広島は、広島を中心とした中国地方から。
ソフトバンクは、福岡を中心とした九州から。。といった風である。
地元高校出身の選手が、主力に育つと、球団に不動の人気が出る。
指名選手の出身校を、割合的に見ると(地元採用枠)は、やはり存在しそうである。
一方、マイナス点もある。
1)新戦力を獲得する段階で、地元重視が過ぎると
「長期的なチーム強化の視点」や「実力本位」で、採れなくなる。
2)入団後、地元のつながり・しがらみが多いので、時に「関係者」がいちいち現場に介入してくる。
(球団幹部の○○さんの関係者のご子息だ、だから、試合に出さないと・・・という圧力や忖度、それによる不協和音)
「地元選手を指名せず、見送ること」にも、かなりのプレッシャーがかかる。
ドラフト上位(1位~3位)で、
地元の有望な高卒選手が、他球団に採られてしまう。これは、仕方ない。
たとえば、横浜高校の松坂がドラフト1位で、横浜以外に入団。
横浜のファンも「これは仕方ないね」と、あきらめる。
岩手から大谷が1位で、日本ハムへ。とかも同様である。
しかし、
ドラフト下位(4位以下)で、地元の高校球児が、他の地域の球団に指名されて、
その後、「日本代表クラス」になるまで活躍すると、
スカウト力=選手を見る目について、地元ファンから大ブーイングが起こる。
「フシ穴」のレッテルを貼られてしまう。
「なーんで、地元やのに、採らんかったんや、
4位まで、残っとったんやでー。うちのその年のドラフト1~3位で活躍してる選手、おる??
採っとったら、今頃は・・・。。はあ、どえりゃーことやでー」
上記のファンの声の通り、
球史に最も「やらかした感」が残るのは、中日のスカウトである。
古くは、名古屋電気の工藤公康を、6位で西武に。
愛工大名電のイチローを、4位でオリックスに。
蒲郡高校の千賀は、ドラフト外の育成枠でソフトバンクに。
2度、3度までも、採られている。
「家が中日新聞をとってなかったのでは?もしかして読売新聞を購読していたんじゃないか?」
中日は親会社が新聞社。この点、読売巨人と強烈に対立している。
名古屋経済界とのつながりが強く、独特の文化がある。
(この話は、マニアックになるので、また、後日・・)
実は、地味にソフトバンクも、やらかしている。
古くは、熊本工業の前田智徳を、4位で広島に。
近年は、都城高校の山本由伸を、4位でオリックスに。
八重山商工の平良海馬の、4位で西武に、採られている。
「AUか、ドコモを使ってたんじゃないか?」
ただ、中日と違う点は、
完全なるお膝元「福岡」では、やられていない。
その分、ファンからの当たりは「ソフト」である。
また、大学や社会人を経てからの入団については、
ファンは寛容な傾向にある。
地方に本拠地を置く球団のスカウトたちの<高校生・地元採用>、
なかなか苦労が多そうです。