船井幸雄・・・会長。
今から20年前、
大学を卒業して、船井総合研究所に入社したときの出来事です。
全社の新年会を兼ねた内定者研修で、
総務の取締役が、私たちに課題を出しました。
「新年会の立食懇親会で、船井総研の社員に挨拶し、たくさんの名刺をもらってきなさい」
「集めた数を、後ほど発表してもらいます」
きっと22歳の当時から、偏屈者だったのでしょう。
「コンサルタントになりたい者に、これって必要なのか?何の意味があるんだ?」と。
でも一方で、同期の仲間たちには負けたくないという面もあり、、、
一計を案じました。
よし!
船井幸雄会長の名刺だけをもらおう!
たぶん、誰も会長には、近づかないだろう。
そして「僕は、この1枚です」と、あの役員に出してやろう・・・。
「名刺をください!」
勇気を出して、船井幸雄会長の席に近づき、こうお願いしました。
ニコニコと、あの笑顔で
こんな生意気な若者に、丁寧に、名刺を渡してくれました。
どんな人にも変わらぬ対応で。
そのとき、何を話したか、まったく覚えていません。
優しい人だなあ・・・と、思いながらも、
目の鋭い輝きに「百戦錬磨」を感じさせる威圧感があったことを
鮮明に覚えています。
ほぼ100%、船井会長は、私の名前すら覚えてはおられないことでしょう。
雲の上の存在とは、まさにこのこと。
500名以上在籍するの社員の一人として、
月に一度の講話を聞くくらいの関係しかありませんでした。
入社2年目の6月の蒸し暑い朝、、、
徹夜の仕事明けで、会社のトイレの洗面台に水を入れて、
頭を洗っていると、ふいに船井会長が、入ってきたことがあります。
びっくりした表情で一見して、
「おつかれさん」
と、声をかけていただき、隣で、淡々と用を足しておられました。
個人的に接触したのは、この2回きりです。
あとは、たまにエレベーターで一緒になって、嬉しい気持ちになることくらい。
席に戻ったら、即、自慢です。
「おい!さっき、エレベーターで会長と一緒になったぞ!、
どうや、俺からも、ついてるオーラが出てるやろ~」と。
1月19日、
船井総研の創業者である、船井幸雄氏が、
永久の眠りにつかれました。
今の自分の土台となるものを作っていただいたことに、
感謝してもしきれません。
今でも、理想とするコンサル会社としての在り方は、
諸先輩方の話に聞き、
私が入社当時には、まだまだ、その空気感が色濃く残っていた、創業当時の船井総研。
予算なんて、ない。青天井。
好きなだけ働いて、好きなだけ給料を稼げばいい。自分で給料は決めるもの。
ルールは作らないほうがいい。管理もしないほうがいい。
「ケンカの船井」と評判がたつほど、競争にめっぽう強い。
「船井が味方についたらしい」との情報だけで、クライアントのライバル会社は、恐れていた。
一芸に秀でた個性あふれるコンサルタントが
バリバリ仕事をして、クライアントの業績を上げる。自立したプロの集団。。。
ちなみに、船井総合研究所とは、後から変更したもの。
船井幸雄会長が、創業したときは「日本マーケティングセンター」という社名でした。
法務局に登記のために出向いた社員に、電話で指示しながら、決めたそうです。
「わかりやすくて、大きな名前が良い」と。
3年前に創業した当社「日本売上アップ研究所」という社名は、
そんなところにも、影響を受けています。
師と呼ぶには、あまりにも遠い存在。
しかし、その御恩に報いるためには、コンサルタントとして
ひたすらに進むべき道を歩み、果たすべき役割を果たすことしかありません。
青く凛とした冬の空を見上げ、感謝の念とともに、そう心に誓います。
ありがとうございました。
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